2022年2月13日
2022年2月13日
Natural Magic return to jupiter
The Realm of Faeries KAORI TAKIZAWA
ギリシャ神話にインスピレーションを受けた作品の神々に見つめられると畏怖の念がわいてくる。人として、自然界に生きる者として忘れていることを呼び覚ましてくれる。古くから日本人は八百の神を感じ、信じてきた。森羅万象に神を感じ、畏怖を抱き、感謝し、祈り、自然を大切にしてきた。西洋も、紀元前ギリシャ神話の中では日本と共通のアニミズムがあった。日本人のこころにはそれがベースにあるはずだが、それを思い出させる作品だと思う。懐美館
インタビュー
Q どうしてこのような作品を作り始めたんですか
A 作り始めたきかっけは、ギリシャに住んでいて、ギリシャ神話にインスピレーションをうけ、それを表現するために最初写真を撮ったりスタイリングしたり洋服をつくってたりしてました。今は、写真を立体的に見せる為に、花を切ったり、貼ったり縫ったり、日本の技術を駆使して加工してます。
Q 作品が発展していった感じですね。
A そうなんです。もともとヘアーをやっていたので写真が多かったんです。写真は写真家の人にとってもらっていたのですが、写真展みたいになってしまったので、今は、もっと自分のオリジナルティを出す為に立体的に写真にコラージュしてます。写真だけというよりその上に物語りを加えたいと思いました。
Q ギリシャは、神話が好きだから行ったんですか?それともギリシャに行ったらそれに魅せられたんですか?
A 最初ヨーロッパに憧れがあって、イギリスに行こうと決めていたんですが、2週間の旅行の中で「私やっぱりギリシャだ」と人生を変える決断をし、一度帰って、ギリシャに住むことを決め、10年住むことになりました。もともと神話的なものが好きだったんですけど、日本神話とか、インド神話とか好きでした。ギリシャに行ってギリシャ神話を知ると、同じことを言ってるなとおもいました。ギリシャ人って、神話が生活の中に根付いているんです。常に「2000年前はな」というのが、今の時代にも生きていて、そういうストックが一杯あったりします。私、花が好きなんですけど、花の名前の語源をたどると、大体がギリシャ語でギリシャの神様の名前だったり、精神性だったり、身体の部分の名前だったりします。そのフィロソフィーみたいなところにどんどん魅せられていきました。
Wing of protea
プロテアという花は、ニュージーランドとかオーストラリアとか原産なんですけどプロテウスというギリシャ神話の神様が語源で、プロテウスは海の神様で自由自在に変身できて予言の力を持っているといわれています。海の門番で、海を見ながらアザラシの世話をしている。海の中にいる妖精は、海の中ではアザラシといわれていて、陸に上がるとその皮を脱いで人間になれる。それを見張っているのがプロテウスです。妖精は人間と恋をすると海に戻りたくなりうまくいかなくなる。ギリシャ神話はこういう話が多いです。陸に上がったアザラシは、皮をぬいで、結婚します。子供ができるのですが、海に帰りたくなって帰ろうとすると、旦那が皮を隠してしまって海に帰れなくなってしまいます。お母さんが嘆き悲しんでいると、息子が皮をお母さんに渡し、母は海に帰ることができます。息子が会いたくなって笛を吹くとお母さんがアザラシとともに陸に戻ってくる。そういうストーリーを使ってプロテアの精霊を表現しようと思いました。
Iris of the Rainbo
蝶の語源はモルフェオといって、ギリシャ語で「形態」という意味です。飛ぶことはできないけど、蝶に化身することによってまた羽ばたけるというのが蝶の語源にあって、その蝶はモルフェオ族という青い蝶です。モルフェオ族の青は自然界では希少なもので、閉じてるときは蛾みたいみに見えるけど、羽ばたくと青さを持っていて、蝶の持っている二面性がある。この変形、二面性が人間の魂も死んだら蝶に化身できるという信仰になった。生まれ変わるとさなぎから蝶になって輪廻転生すると信じられていた。今の西洋は輪廻転生しない。神のみが復活する。キリストの復活祭はするんだけれども人は死んだら終わりという宗教観がある。でもギリシャ神話は2000年前の話なので輪廻転生が信じられていた。日本と中国と同じ物がベースにある。象徴として蝶がある。
The Lady of the Harvest
モデルさんはギリシャの方を使ってます。彼女が妖精っぽさがあったり、女神像の乙女座のデルテルのイメージだったので、何年もおねがいをして、撮らせてもらいました。いつも撮りたい物にイメージがカチッとはまる人を捜します。デルテルは、大地豊穣の女神で、穀物の栽培を伝えた神といわれていて、娘が冥界に連れ去られて連れ戻しに行くんですけど、その時にザクロを食べてしまったから、ザクロを食べた分だけ冥界に住まなくてはいけなくて、娘に会えないときは嘆き悲しんで大地は枯れ果て、冬というのが生まれて、娘が帰ってくると春になる。四季の始まりといわれてます。種が闇の中で目を出して根を張って春になると芽吹く一年のサイクルになる。
ハーベストのメッセージは手放せがメッセージなんです。何を手放すかというと葉を手放す、葉は植物の中で思考の部分といわれていてそれが、秋になると落ちて冬になるとカラカラになって死んでるように見えるけど、また、種が芽吹いてという輪廻転生が植物の中でわかりやすい。それを象徴している神様で、今、手放さなければいけない変容の時だから、この暗い闇の中で割ってる種を育んでるという思いがあります。
Natural Magic return to jupiter
展示する作品立体コラージュ 写真をWOOD,和紙、シルクスクリーンにプリントしたものに天然素材をメインにコラージュした作品
神話の国ギリシャに滞在した十年の中で神話やおとぎ話、自然界からインスピレーションを受け妖精をコンセプトに作品作りをはじめました。ギリシャ、ロシア、ハンガリー、日本の写真家たちとコラボレーションした過去12年間の作品を植物などをメインにコラージュし再び命を吹き込みました。Welcome to land of Faeries 自然界に宿る魔法の力をお楽しみください
日程 2022年2月10日(木)~2月14日(月)
主催 The Realm of Faeries KAORI TAKIZAWA
Open/Close 12:00/20:00 最終日18:00まで
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