2022年4月2日
2022年4月2日
お便り&インタビュー
「あなたは誰?-鏡面-」
Miyabi Starr
Miyabi Starrは自画像が多い。自分の中の葛藤が他者を内に向かわせる。
ヴィオラを弾く作者は、音楽のように、光をとらえているのかもしれない。懐美館
Q 今回の作品について伺ってもいいですか
A 普段から人間の存在や認識のズレをテーマに作品を制作していて、今回の展示はその中でも「鏡」を主題に制作しました。
油絵は、自分の今まで行った場所で写真を撮って、それをデジタル上で加工して簡略像と重ねたものを見ながら、キャンバス上に再現したり、自分がぱっと周りを見たときに視界に映る光のブレとか、色ずれとかを表現しました。
Q 全部自分が入ってますね
A そうですね。自画像が多いですね。
Q 鏡の作品に十字が描かれていますが?
A 鏡も自己の存在を確認するためのものであって、今回作ったのは自分の位置を確かめるというものだったり、鏡は神社では、神聖な依り代として扱われていて、現代版というか、スタイリッシュな色合いで依り代というタイトルを付けました。
自分の顔を映る位置に交差する、ちょうどバッテンのところに顔を置く、基準点みたいな十字を描いています。
Q 顔が見えなくてもいいんですか。
A 結果的に見えなくなりました。
Q 鏡にアクリルで描かれているのがありますね。
A 鏡のパネルにアクリルで描いたものは反射して、自分がうつるので、自分の目の前に持ってきた時に自分がどう映るかアクリルで縁取ったので定点観測という題名を付けました。
Q 切絵がありますね
A 紙を重ねて影ができるので、鏡と同じで虚像みたいなイメージで作りました。
Q ご自分の表現方法として音楽があるとおもうのですが、どうして絵画なんでしょうか。
A 音楽はクラシック音楽をやっていたのですが、ビオラを専攻していたので、自分で曲を作るということが全くなくて既存の昔の曲を弾いていて、自分の作品を作りたいと思ったのと、自分がトランスジェンダーなので大学時代、女性はドレスを着て演奏会に出なくてはいけないというのがあって苦痛で、それで現代に近づけないかなと思い自分で絵画とか中心に作品を作り始めました。
Q 作曲とかは考えませんでしたか
A 作曲はあまり考えませんでした。趣味程度にちょこちょことやってます。
Miyabi Starr「あなたは誰?- 鏡面 -」
展示テーマは「鏡」。
鏡を通して「自分と他者」「そもそも自分の中に他者が混在しているのではないか」といった事を研究し、制作しました。多様性・ダイバーシティなどが言われて久しいです。多様性という存在は外にばかり求めがちですが、実は自分の中にも存在すると、今回仮説を立てました。
新年度が始まる季節に「鏡面」を覗いてみませんか。
2022年3月31日(木)~4月6日(水)
主催
Miyabi Starr
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12:00/19:00 最終日17時まで
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