2016年11月12日~11月13日
Exhibition3
本展示は、3つの場所を用いて構成したインスタレーション作品です。場所や期間を 2期に分けて 1つのインスタ
レーション作品を展示します。 場所や時間の異なる空間で展開されるそれらの作品に繋がりを持たせ、時間、場所
や距離といった私たちの日常を構成する事柄に対する認識や イマジネーションをテーマとしています。 本作品の
第 1 期は平成 28 年 9 月に目黒区鷹番にて公開しました。今回の第 2 期では同じく目黒区鷹番と、新たに恵比寿
西にて同時に展示を 行います。展示名の Exhibition3 には 3 つの<展=点>という意味を含んでいます。同じ場所を
用いつつ時を隔てる方法、また距離の離れた別 の場所で同時に展開する方法を本作品における重要な技法として実
践します。 作品ではまず、それぞれの場所自体の持つ特徴や流れる現在の時間のイメージを創出します。その方法
として空間の性質、建築の構造を用いた 構成を行っており、それぞれ3つの場所において、空間自体を作品ととら
えるインスタレーションという形式を強く意識しています。設置する オブジェは室内の形、窓や収納といった部屋
の構造に沿うように配置し、空間とオブジェが融合したイメージを創出しています。作品を構成す る素材としては
、室内の構造を単純化し、抽出した線や面を作品の造形に用いています。さらに、場に差し込む自然の光や近隣で測
定した時間 の記録を素材として取り入れ、特定の場所性や時間性を取り入れています。次に3つの空間に繋がりを
持たせる為、展示空間にもう一方の展示 空間の建築の造形や記録映像を重ね合わせ、各々の空間と時間を混交させ
る仕組みを行いました。空間に他の場所や時間を混交させ、今この場 所の光景から、こことは違うまた別の場所や
時間の存在を示唆します。 本作品の制作にあたって、通常の生活では意識され難い物事に対する知覚や、人のイ
マジネーションの能力について考察しました。私は芸術 作品には想像力を養い、社会に保つ作用があると考えてい
ます。現代社会ではあらゆるものが繋がることが可能となり、多数の場所における状 況や、文化の違ったものの存
在を認識し交流する事が可能となりました。私たちの生活の中で、目の前に立ち現れるものは日常を構成するほん
の一部の要素に過ぎません。社会は様々な事柄が複雑に絡み合い構成されている事が自明な今、まず自身の立つその
一点から周囲のものを観察し、 次に目の前にはない、物事や場所に視野を延長させ、さらには過去や未来といった
違う時間軸までもイマジネーションを拡げて、今、目前の事 象の真に迫る事のできる可能性が人間には秘められて
います。
平成 28 年 11 月 文責 沖田絢悟
立体作品、平面作品、映像作品
同時展示
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目黒区鷹番3-19-2
2026年